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米国一国投資は元本割れの確率増

普通の人が投資で一番恐れるのは元本割れではないでしょうか?予定より儲からなかったということなら、少なくともやらなかったよりはプラスです。しかし、元本割れになると、わざわざ手間をかけた上でお金をドブに捨てたということですから、自分の選択を呪うことにもなりますし、家族からも責められそうです。一般にリスクとリターンは相反します。例えば、世界全体に投資する場合とアメリカだけに投資する場合を比べると、過去のデータでは、アメリカだけの方がリターンもリスクも大きくなっています。投資でいうリスクとは、リターンの振れ幅のことで、リスクが大きいとは大きく儲けること可能性もあるが、大損する可能性も高いということです。リターンは米国の方が高いので、平均的には米国だけにとうしたほうが利益がでますが、それはあくまで平均でであって、大儲けしている人と大損している人がいるわけです。

老後の資金をためようする人は、大儲けを狙って元本割れをすることは避ける必要があります。リターンは多少少なくても、リスクの小さい投資先を選ぶほうがよいでしょう。預金金利が高く、貯金だけで必要なお金を貯めることができたときには、投資などする必要はなかったのです。ただ現在は金利もゼロで、実質的な給与も下がっているので、投資をしないと老後に必要な資金を貯めることが出来ない人が増えているのです。そんな状況の中、現在、楽天の投資信託の人気ランキングを見ると、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が一番に、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が二番になっています。

確かにこの1年のリターンは、8.34%と 5.1%と大きな差があります。仮にこのリターンが20年間続くと仮定して、400万円を一括投資した場合、受け取る金額は1000万円近く違ってきます。

  • 米国株では、400 * 1.084 ** 20 = 2007万円
  • 全世界では、400 * 1.051 **20 = 1081万円

この結果を見れば、米国株インデックスが一番人気になるのは良くわかります。しかし、投資の世界では絶対的に有利な投資先というのは存在しません。誰もが有利な投資先を探しているのですから、もしひとつだけ有利な投資先があれば、全員がそれを選択するはずです。そして現実には、たくさんの投資先がつぶれないで存在していることを考えると、そのような有利な投資先は存在しないことがわかります。リターンの期待値が高いものは、リスクも大きく、元本割れする可能性も高くなるのです。

こちらの動画を見ると分かりますが、全世界投資では15年以上、米国株投資では20年以上投資すれば、元本割れの確率はゼロになると考えていいでしょう。運が悪いと、それくらいの期間ずっと元本割れしていることもあるのです。そのプレッシャーに耐えられず、途中で売ってしまえば損は確定します。無くなると困るという資金を運用している方にとっては、投資で利益を上げるのは、大変なことなのです。十分な資金を持っていない多くの人たちにとっては、大きく儲けることよりも、損をしないことを考えるほうがいいのではないでしょうか。

この動画における運用形態ですが、積立ではなく一括投資のような気がします。積立でシミュレーションするのはEXCELでは難しいのではないかと思うので、今度pythonでトライしてみるつもりです。

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