3年前に定年退職した時、私は個別株をすべて売却して個人向け国債 変動10年に、確定拠出年金は外国債券に変えてしまいました。理由ははっきりとは覚えていませんが、次の2つだったと思います。
- 定年以降はお金を取り崩すだけとの思い込み
- 資産が減るのが怖い
特に資産が減るのが怖いという感情が支配的でした。定年の手続きが始まった時に初めて自分の資産の計算を始めたのですが、それまでは運用をしていることを忘れていたので、当然のことながら資産が減ってしまうのではとい考えることはありませんでした。
ところが、資産の計算を始めて、これからは収入がなくなってこの資産で食いつないでいくしかないと考えると、お金が減るのがとても怖くなったのです。ぐずぐずしていると暴落が来て株価が半分になってしまうかもしれないという不安と恐れに突き動かされて、深く考えることなく、すべてを債券に変えてしまいました。その時は自分ではいいアイデアだと思っていました。。。
今週になって「得られたかもしれない3000万円」という記事と「半分投資で2倍の資産」を書いたことにより、自分が金融リテラシーがないばかりに、何千万円ものお金を得られたチャンスを逃してきたことに初めて気が付きました。
そこで、ふと退職の際に資産をすべて債権に変えたのは正しかったのかと思ったわけです。さっそく現在の株価を調べてみると、3年前に比べて+30%、確定拠出で使っていた海外インデックスは+24%でした。
考えてみれば当たり前のことですが、定年後も人生は10-20年と続くのです。現金との割合を考えながら、取れるリスクの中で運用を続けていくのがベストなのは明らかです。もう十分な現金があるから運用はしないという考えもありますが、運用をしたお金をどこかに寄付すれば助かる人もいるのですから、取れる分のリスクは取ったほうが世の中のためになるのではないでしょうか。
今週書いた3件の記事をもし機会損失と捉えるならば、その額は7500万円にも及びます。もちろん運用していればリスクもあったわけですが、期間が30年、40年ですから運用益はほぼ確実といっていいでしょう。複利の力は想像よりずっとすごいものなのですが、それを活かすには1歳でも若いうちにそれに気がつくことが必要です。残念ながら私は、7500万円ものお金をほぼリスクゼロで得られるチャンスを逃していたことを、今週になってはじめて気づいたわけですが、それこそが金融リテラシーのなさを物語っています。
しかし、考え方によってはこのブログを始めていなければ、チャンスを逃していたことにすら気づかなかったのですから、もし今後20年生きることがあれば、これはすばらしい気づきだった思えるでしょう。どうかこれを読んだ皆さんは、複利のパワーに気がついて、感情につき動かされるることなく、統計に基づいた理性的な判断をしていただきたいと思います。